いそベクリニックでは、皆様のこころの平穏、すなわち『PEACE OF MIND』を達成目標とし、『こころのトライフォース』と『可能な限り少ない投薬』を診療方針として掲げています。
近年、ストレスフルな社会状況が続き、「こころの健康」の必要性が叫ばれて久しくなります。少しずつではあるものの、神経科への敷居は低くなり、「こころの主治医」として神経科クリニックが活躍できる場所も除々に増加してきました。しかし現在のところ、神経科クリニックにおける「こころの治療」に関して、明確な情報が世間一般に開示されているとはいえず、神経科治療の多くは「薬による治療」に頼っているのが現状です。もちろん「薬による治療」が効果がないわけではなく、薬の進歩によって副作用もなく、画期的な効果が期待できます。しかしその一方では、多くの患者さんが『漫然と薬をのみ続けること』への不安を訴えます。服薬の継続は重要ですが、必要以上の薬をのんでいたり、場合によっては不必要な薬をのみつづけているかもしれません。
そこで、いそベクリニックでは、『可能な限り少ない投薬』を目標にして、治療を進めていく所存です。むろん、ただいたずらに薬の投与量を減らすのではなくて、薬と同等の効果、あるいは場合によっては薬以上の効果が期待できる治療を提供していきたいと考えております。 具体的な治療は以下に呈示したような、『こころのトライフォース』にしたがって行います。
1.医学的面接
必ず最初に精神科医(いそべ)による面接を受けていただきます。その後、精神科医による定期的面接によって治療を進めていきますが、必要性に応じて『こころのトライフォース』の1フォースである臨床心理士によるカウンセリング(摂食障害、不登校など)を併用するのか、1フォースである認知療法(うつ病)・認知行動療法(パニック障害)のグループセラピイ(集団療法)に参加するのかを相談させていただきます。
2.カウンセリング
臨床心理士による定期的面接を行います。精神医学的面接のみでは効果が期待できない場合に、臨床心理士との個別面接によってクライアント(来談者)を援助させていただきます。対象とするこころの病は摂食障害、不登校を主な対象とさせていただきます。
3.認知療法・認知行動療法
うつ病の方に認知療法を、パニック障害の方に認知行動療法を、いずれもグループセラピイで行わさせていただきます。認知療法はうつ病の方を対象として開発された最新の科学的治療技法であり、ものごとの見方を変えたとえうちひしがれている時でも、気分を改善し、生産的にふるまえるように訓練を行うものです。認知療法はうつ病に対して、うつ病の薬と同等か、あるいはそれ以上の治療効果があることが証明された最初のこころの治療法なのです。認知行動療法はパニック障害の方のために開発された最新の科学的治療技法であり、(1)パニック発作のコントロールのための呼吸法、(2)不安を呼び起こす誤った思考パターンを改善する認知再構成、(3)発作を誘発する状況に除々に慣れていく段階的暴露、を3つの柱として訓練を行います。これをマスターすれば、薬をのまなくてもよくなるか、少なくとも定期的な服用からは解放されることになります。
4.メンタルヘルス相談事業
こころのトライフォースの1フォースであり「こころの健康度」を高めていくことを目標としています。主に企業内におけるメンタルヘノレス活動を中心とし、個別相談、家族相談などを行わせていただきます。
以上のように、『こころのトライフォース』と『可能な限り少ない投薬』を治療方針として、皆様の『PEACE OF MIND』を達成するために、いそベクリニックスタッフ一同、努力していく所存です。
価値観が多様化し、おびただしい情報に圧倒される現代に生きる私たち。物理的には恵まれたものの、さまざまなこころの間題に直面することが多くなったのも事実です。そこで、いそベクリニックでは、
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬。うつ病の薬)
をはじめとする薬のほかに、
うつ病の認知療法
パニック障害の認知行動療法の教育的治療プログラム
摂食障害・不登校などに対する心理士によるカウンセリング
などを行っています。いずれも健康保険が適用されるので安心です。
さらに、ただ漠然と薬を飲み続けるのではなく、できるだけ薬に頼らずに、自らの未知の可能性を生かすように、傷ついたこころや病んだこころのメンタルケアをしています。認知療法によって落ち込んだ気分を改善し、認知行動療法によってパニック発作(動悸、不安など)をコントロールし、カウンセリングによって自分の気持ちが受けとめられ、共感されて隠れた気持ちに気がつき、問題解決の方法についてもひらめきが促されます。
いそべクリニックでは、感性のコミニュケーションを大切にします。こころの病に苦しむ方とのコミニュケーションの場としての、こころのオアシスをめざして、このストレスフルな現代社会を共に乗り切っていきたいと考えています。
1. パニック障害って? 治療法は?
パニック障害は、めまい・動悸・呼吸困難などの自律神経系の症状とともに、激しい不安がある日突然に発作的におこる病気です。また、その特徴であるパニック発作とは、他の人なら恐くない状況での急な不安、恐怖、不快感を感じる発作を言います。症状的には、
動悸、発汗、身震い、息切れ感または息苦しさ、窒息感、胸痛または胸部不快感、嘔気、腹部不快感、めまい感、現実感消失、コントロールを失うこと・気が狂うこと・死ぬことに対する恐怖、うずき感、感覚まひ、冷感、熱感
のようなものがあります。
日常生活に支障を来したり、発作がおこるのではないかと恐れながら過ごす時間が長くなるとパニック障害と呼ぱれます。パニック障害は、習慣性で解るようになるのですが、多くの人は、今度は違うのではないかという恐怖感によって、日常生活や社会生活が制約を受けるようになってしまいます。
パニック障害の本質的な恐怖の対象は、パニックを生じさせた状況に対する恐怖ではなく、パニック発作ないし不安発作に対する恐怖です。しかしこれとは逆に、パニック障害の人たちは、パニックを生じさせた状況を避けようという考えをもっています。このような考え方は誤っていますが、「認知再構成」で直すことができます。認知再構成をマスターすれば、行動範囲は広がり不安も軽減し、服用薬も減らすことができます。
いそべクリニックでは、(1) 認知再構成のほかに、(2) 過呼吸のコントロール、(3) 発作に慣れていく段階的曝露を患者さんに学んでいただきながら、パニック障害を治療していきます。
2. カウンセリングってなに?
カウンセリングという言葉を、最近世間で耳にすることがあると思います。しかしどういう事をやるのかというと、イメージが湧きにくいのではないでしょうか。実際、来られる方達のなかには、はじめ戸惑われることがあります。それは当然のことで、最初は何をどうしていいかわからないのです。
カウンセリングというのは一言でいうと、言葉と言葉以外ものを使って行うコミュニケーションです。それならば、普段友人や恋人と話しているのと変わらないと思いますよね。ただちょっと違うのは、普段の会話は、お互いに自分の言いたいことを話すというものですが、カウンセリングでは、あくまでも主人公は患者さんです。セラピストが患者さんの話を聴いていきます。
患者さんにとって何が問題か
患者さんが問題をどう考え、どう感じているのか
そして、どうなれぱいいと思っているのか
などをめぐって、セラピストと患者さんが同じ目標(問題を解決すること)に向かって話し合っていきます。もちろん、プライバシー保護のため、セラピストには守秘義務が科せられています。
いそべクリニックでは、はじめに医師の診察を受けてもらい、必要に応じてカウンセリングを受けてもらいます。カウンセリングを受ける前に、どのようなものであるか、こちらができることを説明するとともに、患者さんが望むことと折り合いがついたところで契約が成立します。
現在は不登校と摂食障害を中心にカウンセリングを行っています。子どもへの治療的アプローチとして箱庭療法や遊戯療法を行ったり、親とのカウンセリングを行なっています。また、摂食障害の場合には、過食、拒食、嘔吐したきっかけとそれにまつわる様々な事柄を話し合い、解決の糸口を探り、自分を見つめ直す場を提供しています。
我々は、患者さんが自分のカで少しでも楽になることを促すお手伝いをしています。